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オルソケラトロジーで乱視矯正もしっかりと

過ごしやすい秋の日々に人間肥ゆる秋の地を行く今日この頃です・・・。

ここのところ、毎週末に勉強する機会があり、ありがたいやら、消化不良で胃と頭が痛いやら、てんてこ舞いの毎日ですが、大内眼科に新しく仲間入りしたレンズのご紹介です。

その名も【マイエメラルドプレミア】(厚生労働省認可)

乱視矯正が可能なオルソケラトロジーレンズです。

大内眼科が今まで導入していたオルソケラトロジーレンズは、国内生産で日本人特有の角膜の形に合わせたデザイン設計がされている【ブレスオーコレクト】というレンズです。

レンズ素材の酸素透過係数が非常に高く、また柔らかハードレンズなので割れたり破損しにくく、且つ装用感は非常にマイルドです。

近視矯正だけであれば、十分、対応できるレンズで、当院でも、沢山のユーザーさんが使っていて、昼間の活動時間帯は裸眼での生活をされています。

しかし、乱視矯正力があまり強くなく、乱視度数が1.00Dを超えると、

近視は矯正されても、乱視が若干残存してしまう傾向がありました。

そこで、乱視矯正もできるオルソケラトロジーレンズを探してみたところ、米国製でマイエメラルドプレミアムというレンズがありました。

今回、新しく導入するレンズの基となる【マイエメラルド】は、アメリカのEuclid Systems Co.が製造しています。

2004年に米国FDA(食品医薬局)にて認可を受けてからすでに16年で世界シェアはトップクラスの販売実績を持つレンズになります。

韓国、台湾、中国、EU(ヨーロッパ)、ロシア各国で国家機関にて認可を受けていて、レンズの安全性や効果実績も多くの国で認められているレンズとなります。

近年、世界中で研究が進められている「オルソケラトロジーと近視進行抑制効果に関する研究」においても採用される頻度が最も高く、

日本国内では、関東地方にあるガマの油売りで有名な地方の研究機関さんであるとか、我らが(?)京都の地元医科大学さんの近視進行抑制研究で使用されているレンズが【マイエメラルド】です。

その【マイエメラルド】に乱視矯正デザインが施された『マイエメラルドプレミアム』を当院で導入することになりました。

もちろん、合う合わないがありますから、万人に使っていただけるとは思ってはいませんが、

乱視矯正力が弱いことが原因で、オルソケラトロジー効果を感じることができないことがあれば、

お試し頂くことをお勧めします。

ただし、乱視の対応はC-3.00Dまで、乱視の軸は180度の直乱視のみになります。

それ以上の強い乱視では、完全に乱視をゼロにすることは難しいかもしれませんが、

乱視を少なくすることは可能かもしれません。

レーシックとの違いは、

レーシックが不可逆性(手術をした後は元に戻せない)で、角膜全体の厚み約520μmのうち、150μm前後を切除するのに対し、

オルソケラトロジーにおける角膜の変化は、角膜上皮と呼ばれる最表面の層に対してのみで、

変化する厚みは、わずか10μm前後です。可逆性でレンズ装用をやめれば元に戻ります。

更に、レーシックは成人していないとできませんが、

オルソケラトロジーは、ガイドラインをしっかりと遵守したうえで、

保護者の監督のもと未成年・小児でも装用することが可能です。

しかしながら、レンズのケアが面倒くさい方、定期検診にお越し頂けない方にはお勧めしません。

レンズケアはブレスオーコレクトもマイエメラルドプレミアムも同じです。

朝のレンズ装脱後、こすり洗い⇒すすぎ⇒オーツーセプト消毒保存⇒夜の装用前、軽くこすり洗い⇒すすぎ⇒装用⇒睡眠です。

ケアそのものは、難しいことも何もありません。歯磨きやお皿洗いと同じで、しっかり丁寧に洗う事、洗った後は消毒するだけです。

ご自身の眼がオルソケラトロジーの適応があるかどうかは、予約制の適応検査で確認することができます。お気軽にお声がけください。

ここからは、個人的な見解になりますが、オルソケラトロジーを実施する中で、大人として一番難しいと感じるのは、

フィッティングでも、度数合わせでも、付け外しの方法でも、ケア用品の使い方でも、各種検査手法でもなく、

睡眠時間の確保だと思います。一日6時間以上の睡眠、つまり閉瞼しての6時間以上のレンズ装用が一番難しいです。

でも、それができれば、朝起きてレンズをはずしたときに眼鏡もコンタクトレンズもしていないのに、窓の外の遠くのビルの看板が見えるのは、なかなかの感動です。

定年退職したら、お弁当作らなくてよくなったら、ゆっくり朝まで寝よう

ORT385